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育成就労 令和6年改正入管法 (特定技能制度関係等)

令和6年、外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律(「 育成就労 法 」)及び令和6年改正出入国管理及び難民認定法(「入管法」)が成立しました。

令和6年改正入管法の内容は、
①在留資格「育成就労」及び「企業内転勤2号」の創設並びに特定技能制度の見直し等と、
②在留カードとマイナンバーカードの一体化等
に分けることができます。

本記事では、育成就労、および、令和6年改正入管法のうち、在留資格「育成就労」及び「企業内転勤2号」の創設並びに特定技能制度の見直し等(特定技能制度関係等)を解説してまいります。

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1. 育成就労 法 の解説

今回の改正事項は、公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日から施行されます。

育成就労 制度の目的及び基本方針

新たな在留資格「 育成就労 」の創設

入管法改正により、「技能実習」の在留資格を廃止するとともに、「育成就労」の在留資格を創設します。

「育成就労」に係る在留資格該当性として、「育成就労法第 11 条第1項に規定する認定育成就労計画に基づいて、講習を受け、及び育成就労法第2条第2号に
規定する育成就労産業分野に属する技能を要する業務に従事する活動」が規定されます。

育成就労産業分野とは、特定産業分野のうち、外国人にその分野に属する技能を本邦において就労を通じて修得させることが相当であるものとして主務省令で定める分野をいいま
す(育成就労法2条2号)。

特定産業分野とは、人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野として出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の特定技能の項の下欄に規定する産業上の分野等を定める省令(「特定技能分野等省令」)で定めるものをいい、特定技能外国人の受入対象分野を意味します。

在留資格が細かに区分された技能実習制度に対し、「育成就労」は、単独型育成就労、および、監理型育成就労を包含し、また、何年目であるかという段階を問わず、1個の在留資格です。

特定技能制度に係る特定産業分野と育成就労制度に係る育成就労産業分野の違い

特定技能制度に係る特定産業分野育成就労制度に係る育成就労産業分野
人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野として特定技能分野等省令で定めるもの

具体的には、介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の 16 分野(特定技能分野等省令)
特定産業分野のうち、外国人にその分野に属する技能を本邦において就労を通じて修得させることが相当であるものとして主務省令で定める分野

上記1のとおり「育成就労」は1個の在留資格ですが、育成就労外国人の受入機関別に、単独型育成就労と監理型育成就労の二つの区分があります(育成就労法2条1号)。単独
型育成就労の対象となっている外国人を単独型育成就労外国人といい(育成就労法2条5号)、監理型育成就労の対象となっている外国人を監理型育成就労外国人といい(育成就労法2条6号)、両者をあわせて育成就労外国人といいます(育成就労法2条4号)。

単独型育成就労

単独型育成就労とは、日本の企業等が、その外国にある事業所の職員を受け入れて育成就労を実施するものです。すなわち、単独型育成就労とは、本邦の公私の機関(育成就労実施者)の外国にある事業所の職員である外国人が、育成就労産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を修得するため、「育成就労」の在留資格をもって、当該機関により受け入れられて必要な講習を受けること及び当該機関との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所において当該育成就労産業分野に属する技能を要する業務に従事することをいいます(育成就労法2条2号)。

監理型育成就労

監理型育成就労とは、基本的に、非営利の監理支援機関(事業協同組合、商工会等)が育成就労外国人を受け入れ、傘下の企業等で育成就労を実施するものです(育成就労法2条3号)。監理型育成就労には、原則的な実施態様派遣形態によって実施する例外的な態様とがあります。

原則的な実施態様
監理型育成就労とは、労働者派遣等育成就労産業分野において派遣形態によって実施する労働者派遣等監理型育成就労(育成就労法2条3号ロ、8条2項括弧書)を除き、外国人が、育成就労産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を修得するため、「育成就労」の在留資格をもって、本邦の営利を目的としない法人(監理支援機関)に
より受け入れられて必要な講習を受けること及び当該法人による監理支援を受ける本邦の公私の機関(育成就労実施者)との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所において当該育成就労産業分野に属する技能を要する業務に従事することをいいます(育成就労法2条3号イ)。
なお、上記のうち、「受け入れられて必要な講習を受けること」については、本邦の公私の機関(育成就労実施者)が、当該機関と「主務省令で定める取引上密接な関係を有する外国の公私の機関の外国にある事業所」の職員を雇用する場合は、監理支援機関ではなく、本邦の公私の機関(育成就労実施者)により受け入れられて必要な講習を受けることになります(育成就労法2条3号イ括弧書)。

派遣形態によって実施する例外的な態様
季節的業務に係る派遣形態による例外的な労働者派遣等監理型育成就労は、労働者派遣等育成就労産業分野においてのみ例外的に認められるものです。
労働者派遣等育成就労産業分野とは、育成就労産業分野のうち、外国人にその分野に属する技能を本邦において就労を通じて修得させるに当たり季節的業務に従事させることを要
する分野であって、当該技能を労働者派遣等による就労を通じて修得させることができると認められるものとして主務省令で定める分野をいいます(育成就労法2条3号ロ)。

法律名の変更

外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律を、外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律育成就労法)に改めます。

育成就労法は新法ではなく外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(「技能実習法」)の抜本改正です。

制度目的の変更

育成就労制度は、育成就労産業分野において、特定技能1号水準の技能を有する人材を育成するとともに、当該分野における人材を確保することを目的とします。

技能実習制度は、人材育成を通じた開発途上地域等への技能等の移転による国際協力の推進を目的としていたのに対し(技能実習法1条)、育成就労制度は、人材育成と人材確保を目的としています。

当該目的の変更を受け、「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない。」と規定していた技能実習法3条2項は削除されました。また、技能実習生の責務として「技能実習生は、技能実習に専念することにより、技能等の修得等をし、本国への技能等の移転に努めなければならない。」と規定していた技能実習法6条も、育成就労外国人の責務として「育成就労外国人は、育成就労に専念することにより、育成就労産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能の修得に努めなければならない。」との規定に改正されました(育成就労法6条)。

育成就労法3条は、基本理念として、「育成就労は、育成就労産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能の適正な修得を図り、かつ、育成就労外国人が育成就労に専念できるようにその保護を図る体制が確立された環境で行われなければならない。」と規定しています。

技能実習制度と育成就労制度の目的の相違

技能実習制度の目的育成就労制度の目的
人材育成を通じた開発途上地域等への技能等の移転による国際協力の推進
(技能等の移転による国際協力
育成就労産業分野において、特定技能1号水準の技能を有する人材を育成するとともに、当該分野における人材を確保すること
(育成就労産業分野における人材育成と人材確保)

基本方針及び分野別運用方針

政府は、育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する基本方針(「育成就労政府基本方針」)及び個別育成就労産業分野における育成就労に係る制度の運用に関する方針(「育成就労分野別運用方針」)を定めます。そして、育成就労分野別運用方針において、各分野の受入見込数を設定します。

育成就労政府基本方針 (育成就労法7条2項1号ないし6号)

  1. 育成就労制度の意義に関する事項
  2. 育成就労産業分野及び労働者派遣等育成就労産業分野の選定に関する基本的事項
  3. 育成就労産業分野において求められる人材に関する基本的事項
  4. 育成就労外国人の保護を図るための施策に関する基本的事項
  5. 育成就労制度の運用に関する関係行政機関の事務の調整に関する基本的事項
  6. その他育成就労制度の運用に関する重要事項

育成就労分野別運用方針 (育成就労法7条の2第2項1号ないし7号)

  1. 当該分野別運用方針において定める個別育成就労産業分野及び労働者派遣等育成就労産業分野である場合にはその旨
  2. 当該個別育成就労産業分野において求められる人材の基準に関する事項
  3. 当該個別育成就労産業分野における育成就労外国人の育成に関する事項
  4. 当該個別育成就労産業分野における人材の受入見込数その他の人材の確保に関する事項(人材が不足している地域の状況を含みます。)
  5. 当該個別育成就労産業分野における育成就労認定の停止の措置及びその再開の措置に関する事項
  6. 当該個別育成就労産業分野における育成就労実施者の変更に関する事項
  7. その他当該個別育成就労産業分野における育成就労制度の運用に関する重要事項

育成就労 計画 の認定制度

在留資格該当性の要件としての認定育成就労計画

育成就労を行わせようとする本邦の個人又は法人は、主務省令で定めるところにより、育成就労の対象となろうとする外国人ごとに、育成就労の実施に関する計画(育成就労計画)を作成し、これを入管庁長官及び厚生労働大臣(育成就労法12 条1項により、外国人育成就労機構に認定事務を行わせることが可能)に提出して、その育成就労計画が適当である旨の認定を受けることができます(育成就労法8条1項)。

育成就労計画の内容の適正化を図るために、監理型育成就労を行わせようとする申請者は、監理支援機関の指導に基づき、育成就労計画を作成しなければならず(育成就労法8条5項1号)、監理支援機関は、育成就労計画の作成に関する情報の提供、助言、指示その他の必要な指導を行わなければなりません(育成就労法8条5項2号)。
①育成就労法8条1項が規定する原則的な認定(育成就労を行わせようとする場合の原則的な認定)
②育成就労法8条の5第1項が規定する新たな育成就労計画の認定(転籍希望の申出をした育成就労外国人を対象として新たに育成就労を行わせようとする場合の認定)
③育成就労法8条の6第1項が規定する育成就労計画認定を取り消された外国人等の新たな育成就労計画の認定(育成就労の対象でなくなった外国人を対象として新たに育成就労を行わせようとする場合の認定)
④これらに係る育成就労法 11 条1項による変更の認定
をあわせて育成就労認定といい(育成就労法11条1項括弧書)、
育成就労認定を受けた育成就労計画のことを認定育成就労計画といいます(育成就労法 11 条1項括弧書)。

認定育成就労計画に基づき単独型育成就労を行わせる者を単独型育成就労実施者といい(育成就労法2条8号)、認定育成就労計画に基づき監理型育成就労を行わせるものを監理型育成就労実施者といい(育成就労法2条9号)、両者をあわせて育成就労実施者といいます(育成就労法2条7号)。

在留資格該当性の要件としての認定育成就労計画の4類型

「育成就労」に係る在留資格該当性
(入管法別表第1の2の表の育成就労の項の下欄)
認定育成就労計画の4類型
育成就労法 11 条1項に規定する認定育成就労計画に基づいて、講習を受け、及び育成就労法2条2号に規定する育成就労産業分野に属する技能を要する業務に従事する活動①育成就労法8条1項が規定する原則的な認定を受けた計画
②育成就労法8条の5第1項が規定する新たな育成就労計画の認定を受けた計画
③育成就労法8条の6第1項が規定する育成就労計画認定を取り消された外国人等の新たな育成就労計画の認定を受けた計画
④①~③に係る育成就労法 11条1項による変更の認定を受けた計画

認定要件

基準適合性と欠格事由非該当性

育成就労計画の認定要件は、育成就労法が規定する認定基準に適合し(基準適合性)、かつ、育成就労法 10 条が規定する欠格事由に該当しないこと(欠格事由非該当性)です。

認定基準

原則的な認定基準

育成就労計画の原則的な認定基準は、育成就労法9条1項が規定しています。育成就労法9条1項は、育成就労計画の原則的な認定基準を次の1〜11のとおり規定しています。

なお、親会社とその子会社の関係その他主務省令で定める密接な関係を有する本邦の複数の法人が育成就労を共同して行わせようとする密接関係法人育成就労(育成就労法8条の2第4項括弧書)の場合は、これら複数の法人が育成就労計画を作成して認定を受けることになります(育成就労法8条1項括弧書)。

  1. 従事させる業務において要する技能の属する分野が育成就労産業分野であること(育成就労法9条1項1号)
  2. 従事させる業務、当該業務において要する技能、日本語の能力その他の育成就労の目標及び内容として定める事項が、育成就労の区分に応じて主務省令で定める基準に適合していること(育成就労法9条1項2号)
  3. 育成就労の期間が3年以内であること(育成就労法9条1項3号)
  4. 育成就労を終了するまでに、育成就労外国人が修得した技能及び育成就労外国人の日本語の能力の評価を主務省令で定める時期に主務省令で定める方法により行うこと(育成就労法9条1項4号)
  5. 育成就労を行わせる体制及び事業所の設備が主務省令で定める基準に適合していること(育成就労法9条1項5号)
  6. 育成就労を行わせる事業所ごとに、主務省令で定めるところにより育成就労の実施に関する責任者が選任されていること(育成就労法9条1項6号)
  7. 単独型育成就労に係るものである場合は、単独型育成就労実施者に対する単独型育成就労の実施に関する監査の体制が主務省令で定める基準に適合していること(育成就労法9条1項7号)
  8. 監理型育成就労に係るものである場合は、申請者が、育成就労計画の作成について指導を受けた監理支援機関による監理支援を受けること(育成就労法9条1項8号)
  9. 育成就労外国人に対する報酬の額が日本人が当該業務に従事する場合の報酬の額と同等以上であることその他育成就労外国人の待遇が主務省令で定める基準に適合していること(育成就労法9条1項9号)
  10. 申請者が育成就労の期間において同時に複数の育成就労外国人に育成就労を行わせる場合は、その数が主務省令で定める数を超えないこと(育成就労法9条1項 10 号)
  11. 外国の送出機関からの取次ぎを受けた外国人に係るものである場合は、当該外国人が送出機関に支払った費用の額が、育成就労外国人の保護の観点から適正なものとして主務省令で定める基準に適合していること(育成就労法9条1項 11 号)

例外的な認定基準(労働者派遣等監理型育成就労の場合等)

育成就労計画の例外的な認定基準として、労働者派遣等監理型育成就労の場合について育成就労法9条2項が規定し、転籍希望の申出をした育成就労外国人を対象として新たに育
成就労を行わせようとする場合(育成就労法8条の5第1項)について育成就労法9条の2が規定し、育成就労認定が取り消されたこと又は「育成就労」の在留資格を有する者でなくなったことにより育成就労の対象者でなくなった外国人を対象として新たに育成就労を行わせようとする場合(育成就労法8条の6第1項)について育成就労法9条の3が規定しています。
育成就労法9条2項は、労働者派遣等監理型育成就労の場合の認定基準を次の1〜6のとおり規定しています。
労働者派遣等監理型育成就労を行わせるものであるときは、本邦の派遣元事業主等及び本邦の一又は複数の派遣先は、共同して育成就労計画を作成して認定を受けなければなりません(育成就労法8条2項)。

  1. 原則的な認定基準の2~4、6、8、9、11のいずれにも該当すること(育成就労法9条2項1号)
  2. 従事させる業務において要する技能の属する分野が労働者派遣等育成就労産業分野であること(育成就労法9条2項2号)
  3. 業務に従事させるいずれの事業所においても同一の労働者派遣等育成就労産業分野に属する技能を要する業務に従事させることとしていることその他育成就労の内容が本邦の派遣元事業主等及び本邦の派遣先が共同して育成就労を行わせることについて育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護の観点から支障がないものとして主務省令で定める基準に適合していること(育成就労法9条2項3号)
  4. 育成就労を行わせる体制及び事業所の設備が本邦の派遣元事業主等及び本邦の派遣先ごとにそれぞれ主務省令で定める基準に適合していること(育成就労法9条2項4号)
  5. 本邦の派遣元事業主等の育成就労に関する業務を行う事業所(育成就労を行わせる事業所を除きます。)ごとに、主務省令で定めるところにより育成就労の実施に関する責任者が選任されていること(育成就労法9条2項5号)
  6. 申請者が育成就労の期間において同時に複数の育成就労外国人に育成就労を行わせる場合は、その数が育成就労を行わせる本邦の派遣元事業主等の職員の総数及び本邦の派遣先の職員の総数を勘案して主務省令で定める数を超えないこと(育成就労法9条2項6号)

育成就労計画認定の欠格事由は、育成就労法 10 条が規定しています。基本的に、技能実習計画認定の欠格事由を規定した技能実習法 10 条に準じています。

転籍(育成就労実施者の変更)

転籍の類型

転籍(育成就労実施者の変更)には、下記の2類型があります。

  1. 転籍希望の申出をした育成就労外国人を対象として新たに育成就労を行わせる場合(育成就労法8条の5)
  2. 育成就労の対象でなくなった外国人を対象として新たに育成就労を行わせる場合(育成就労法8条の6)

そして、2.の類型は、育成就労の対象でなくなった原因により、
ⅰ育成就労認定が取り消されたことによる場合と、
ⅱ「育成就労」の在留資格を有する者でなくなったことによる場合の
二つに分かれます。

転籍希望の申出をした育成就労外国人を対象として新たに育成就労を行わせる場合の認定基準

「やむを得ない事情」がある転籍「やむを得ない事情」がなく、自己都合による転籍
①育成就労計画の原則的な認定基準又は労働者派遣等監理型育成就労の場合の認定基準に適合すること同左
②育成就労の期間が、従前の育成就労の期間と通算して3年以内(育成就労計画の変更により育成就労の期間が延長されている場合にあっては4年以内)であること同左
③従前の認定育成就労計画に定められていた業務区分と同一であること同左
④次のいずれにも適合すること
ⅰ 直近の育成就労実施者が育成就労を行わせた期間が、1年以上2年以下の範囲内で育成就労外国人に従事させる業務の内容等を勘案して主務省令で定める期間を超えていること
ⅱ 育成就労外国人が修得した技能、育成就労外国人の日本語の能力その他育成就労外国人の育成の程度に関し主務省令で定める基準に適合していること
ⅲ 育成就労を行わせようとする者が育成就労の実施に関する実績、育成就労外国人の育成に係る費用の負担能力その他の育成就労を適正に実施するために必要な事項に関して主務省令で定める基準に適合していること

育成就労の対象でなくなった外国人を対象として新たに育成就労を行わせる場合の認定基準

育成就労認定が取り消されたことによる場合「育成就労」の在留資格を有する者でなくなったことによる場合
①育成就労計画の原則的な認定基準又は労働者派遣等監理型育成就労の場合の認定基準に適合すること同左
②育成就労の期間が、従前の育成就労の期間と通算して3年以内(育成就労計画の変更により育成就労の期間が延長されている場合にあっては4年以内)であること同左
③次のいずれにも適合すること
ⅰ 従前の認定育成就労計画に定められていた業務区分と同一であること
ⅱ 当該申請に係る育成就労の対象でなくなった外国人を対象として新たに育成就労を行わせることについて主務省令で定めるやむを得ない事情があると認められること
③日本から単純出国した事実があり、当該単純出国前の育成就労期間が2年を超えず、当該単純出国後に育成就労の対象となったことがない場合において、従前の認定育成就労計画に定められていた育成就労産業分野又は業務区分と異なる業務に従事させることについて主務省令で定めるやむを得ない事情があると認められること

転籍希望の申出

育成就労外国人は、育成就労実施者の変更(転籍)を希望するときは、主務省令で定めるところにより、書面をもって、育成就労実施者の変更を希望する旨を、①育成就労実施者若しくは②監理支援機関又は③入管庁長官及び厚生労働大臣(単独型にあっては、①育成就労実施者又は②入管庁長官及び厚生労働大臣)のいずれかに申し出ることができます(育成就労法8条の2第1項)。
なお、入管庁長官及び厚生労働大臣は、外国人育成就労機構に、上記の申出及び届出の受理に係る事務を行わせることができます(育成就労法8条の3第1項)。

育成就労実施者は、申出(監理型について育成就労法8条の2第1項2号、単独型について育成就労法8条の2第1項1号)を受けたときは、遅滞なく、主務省令で定めるところにより、当該申出をした育成就労外国人の氏名その他の主務省令で定める事項を監理支援機関に通知(単独型にあっては、入管庁長官及び厚生労働大臣に届出)しなければなりません(監理型について育成就労法8条の2第3項、単独型について育成就労法8条の2第2項)。

そして、育成就労実施者から上記の通知(育成就労法8条の2第3項)を受けた監理支援機関は、遅滞なく、主務省令で定めるところにより、申出をした育成就労外国人の氏名そ
の他の主務省令で定める事項を入管庁長官及び厚生労働大臣に届け出なければなりません(育成就労法8条の2第7項)。

なお、親会社(会社法2条4号)とその子会社(会社法2条3号)の関係その他主務省令で定める密接な関係を有する本邦の複数の法人が育成就労を共同して行わせる密接関係法人育成就労の場合は、申出を受けた育成就労実施者は、当該育成就労を共同して行わせている他の育成就労実施者に主務省令で定める事項を通知しなければなりません(育成就労法8条の2第4項)。また、労働者派遣等監理型育成就労の場合は、申出を受けた育成就労実施者は、当該育成就労を共同して行わせている他の育成就労実施者に主務省令で定める事項を通知しなければなりません(育成就労法8条の2第5項前段)。この場合において、申出を受けた育成就労実施者が派遣先であるときは、上記の育成就労法8条の2第5項前段の通知を受けた派遣元事業主等が監理支援機関に通知(育成就労法8条の2第3項)しなければなりません(育成就労法8条の2第5項後段)。

監理支援機関は、申出(育成就労法8条の2第1項2号)を受けたときは、主務省令で定めるところにより、当該申出をした育成就労外国人の氏名その他の主務省令で定める事項を、遅滞なく入管庁長官及び厚生労働大臣に届け出るとともに、育成就労実施者に通知しなければなりません(育成就労法8条の2第6項)。

入管庁長官及び厚生労働大臣は、申出(監理型について育成就労法8条の2第1項2号、単独型について育成就労法8条の2第1項1号)を受理したときは、主務省令で定めるところにより、その旨を育成就労実施者及び監理支援機関(単独型にあっては、育成就労実施者)に通知します(監理型について育成就労法8条の4第1項2号、単独型につ
いて育成就労法8条の4第1項1号)。

また、入管庁長官及び厚生労働大臣は、申出又は届出を受理したときは、育成就労法8条の3第1項により外国人育成就労機構に当該受理に係る事務を行わせているときを除き(育成就労法8条の4第2項但書)、外国人育成就労機構に通知します(育成就労法8条の4第2項本文)。

転籍希望の申出があった場合の連絡調整等

外国人育成就労機構は、育成就労実施者の変更(転籍)の希望の申出に係る育成就労外国人が他の育成就労実施者の育成就労の対象となること等により育成就労の継続が可能となるよう、当該育成就労外国人からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言、職業紹介その他の援助を行わなければなりません(育成就労法8条の4第3項)。

監理支援機関は、育成就労実施者の変更(転籍)の希望の申出又は通知を受けたときは、当該申出又は通知に係る育成就労外国人が他の育成就労実施者の育成就労の対象となること等により育成就労の継続が可能となるよう、他の育成就労実施者又は監理支援機関その他関係者との連絡調整、職業紹介その他の必要な措置を講じなければなりません(育成就労法8条の4第5項)。

育成就労計画の変更

育成就労実施者は、認定育成就労計画について育成就労法8条3項各号(5号が規定する単独型育成就労又は監理型育成就労の区分を除きます。)、8条の5第2項1号及び2号(8条3項5号に係る部分を除きます。)又は8条の6第2項1号及び2号(8条3項5号に係る部分を除きます。)に掲げる事項の変更をしようとするときは、主務省令で定める軽微な変更を除き(育成就労法 11 条1項前段括弧書)、入管庁長官及び厚生労働大臣(育成就労法 12 条1項により、外国人育成就労機構に認定事務を行わせることが可能)の認定を受けなければなりません(育成就労法 11 条1項前段)。

この場合において、密接関係法人育成就労又は労働者派遣等監理型育成就労であるときは、当該育成就労実施者の全員が共同して当該変更認定の申請をしなければなりません(育
成就労法 11 条1項後段)。育成就労計画の変更認定に当たっては、原則的な認定基準(育成就労法9条1項)及び例外的な認定基準(育成就労法9条2項、9条の2、9条の3)並びに欠格事由(育成就労法 10 条)が準用されます(育成就労法 11 条2項)。

育成就労認定の停止及び再開

育成就労認定の停止

個別育成就労産業分野を所管する関係行政機関の長は、育成就労分野別運用方針に基づき(育成就労法7条の2第2項5号参照)、当該個別育成就労産業分野において必要とされる人材が確保されたと認めるときは(育成就労法7条の2第2項4号参照)、主務大臣に対し、一時的に育成就労認定の停止の措置をとることを求めます(育成就労法 12 条の2第1項)。

現に育成就労の対象となっている者(育成就労外国人)及び育成就労認定が取り消されたことにより育成就労の対象でなくなった者に係るものは停止の対象から除かれます(育成就労法 12 条の2第1項括弧書)。

主務大臣は、上記の求めがあったときは、育成就労分野別運用方針に基づき、一時的に同項の停止の措置をとります(育成就労法 12 条の2第2項)。

の2類型があります。

育成就労認定の停止の措置がとられた場合において、当該個別育成就労産業分野を所管する関係行政機関の長は、育成就労分野別運用方針に基づき(育成就労法7条の2第2項5号参照)、当該個別育成就労産業分野において人材が不足すると認めるときは、主務大臣に対し、育成就労認定の再開の措置をとることを求めることができます(育成就労法 12 条の2第3項)。
主務大臣は、上記の求めがあったときは、育成就労分野別運用方針に基づき、再開の措置をとることができます(育成就労法 12 条の2第4項)。

育成就労 実施者 の帳簿書類の作成、備置き

その事業所において育成就労を行わせる育成就労実施者は、育成就労に関して、一定の帳簿書類を作成し、育成就労を行わせる当該事業所に備えて置かなければなりません(育成就労法 20 条1項)。また、労働者派遣等監理型育成就労である場合においては、本邦の派遣元事業主等も、一定の帳簿を作成し、育成就労に関する業務を行う事業所に備えて置かなければなりません(育成就労法 20 条2項)。これらの帳簿書類は、外国人育成就労機構が行う実地検査や主務大臣が行う立入検査の際にも提示できるよう適切に作成して備えて置く必要があります。

育成就労実施者の届出、報告

育成就労実施者は、育成就労計画の認定を受け、育成就労外国人を受け入れた後も、育成就労法で定められた届出及び報告の手続を、定められた様式に従って行う必要があります
(育成就労法 17 条1項の育成就労実施の届出、育成就労法 11条1項括弧書の育成就労計画軽微変更届出、育成就労法 19 条1項の単独型育成就労実施困難時届出、育成就労法 21 条1項の実施状況報告等)。その手続は、基本的に技能実習制度における実習実施者の届出及び報告に準じています。

育成就労実施者に対する処分等

育成就労実施者に対する処分等として、報告徴収及び実地検査(主務大臣によるものとして育成就労法 13 条1項、外国人育成就労機構によるものとして育成就労法 14 条1項)、改善命令(育成就労法 15 条1項)、認定の取消し(育成就労法16 条1項)が規定されており、いずれも基本的に、技能実習制度における実習実施者に対する処分等に準じています。

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監理支援機関

監理型育成就労の定義

監理型育成就労とは、労働者派遣等監理型育成就労(育成就労法2条3号ロ、8条2項括弧書)を除き、原則として、外国人が、育成就労産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を修得するため、「育成就労」の在留資格をもって、本邦の営利を目的としない法人(監理支援機関)により受け入れられて必要な講習を受けること及び当該
法人による監理支援を受ける本邦の公私の機関(育成就労実施者)との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所において当該育成就労産業分野に属する技能を要する業務に従事することをいいます(育成就労法2条3号イ)。

なお、本邦の公私の機関(育成就労実施者)が当該機関と主務省令で定める取引上密接な関係を有する外国の公私の機関の外国にある事業所の職員である外国人を雇用する場合(本邦の公私の機関が、取引上密接な関係を有する外国の公私の機関の外国にある事業所の職員に育成就労を行わせる場合)にあっては、育成就労実施者により受け入れられて必要な講習を受けること及び監理支援機関による監理支援を受ける育成就労実施者との雇用契約に基づいて当該育成就労実施者の本邦にある事業所において当該育成就労産業分野に属する技能を要する業務に従事することをいいます(育成就労法2条3号イ括弧書)。

監理支援の定義

監理型育成就労において、監理支援機関が行う監理支援とは、原則として、次の行為を行うことをいいます(育成就労法2条 10 号)。

  • 監理型育成就労実施者等(監理型育成就労実施者又は監理型育成就労を行わせようとする者をいいます。以下同じ。)と監理型育成就労外国人等(監理型育成就労外国人又は監理型育成就労の対象となろうとする外国人をいいます。以下同じ。)との間における雇用関係の成立のあっせん(育成就労法2条 10 号イ)
  • 監理型育成就労実施者に対する監理型育成就労の実施に関する監理(育成就労法2条 10 号ロ)を行うことをいいます。

監理支援機関に係る許可制

監理支援事業について許可を受ける必要性

監理支援機関とは、育成就労法 23 条1項の許可(監理支援機関の許可)を受けて監理支援を行う事業を行う本邦の営利を目的としない法人をいいます(育成就労法2条 11 号)。

育成就労制度において、監理支援事業を行おうとする者は、あらかじめ、主務大臣から監理支援機関の許可を受ける必要があります(育成就労法 23 条1項)。この監理支援機関許可申請書(育成就労法 23 条2項)は、育成就労法 25 条1項の許可基準を満たすことを証明する添付資料等を添えて(育成就労法 23 条3項)、外国人育成就労機構に申請しなければなりません(育成就労法 24 条3項)。主務大臣は、監理支援機関の許可をしたときに、監理支援事業を行う事業所の数に応じた許可証を交付します(育成就労法 29 条1項)。

許可証の交付を受けた監理支援機関は、事業所ごとに許可証を備え付け、関係者から請求があればいつでも提示できるようにしておかなければなりません(育成就労法 29 条2項)。

許可を受けた監理支援機関は、職業安定法上の許可等を受けなくとも育成就労に限って職業紹介事業(育成就労職業紹介事業)を行うことができるなど、職業安定法の特例等が措置されています(育成就労法 27 条)。他方、監理支援機関の許可を受けていたとしても、職業安定法上の許可を受け又は届出を行っていない場合には、育成就労関係以外の日本人等の雇用関係の成立のあっせんを行うことはできません。また、育成就労法に基づく監理支援機関の許可を受けた場合においても、法律上、船員職業安定法の特例は設けられていません(育成就労法 27条1項参照)。従って、船員職業安定法上の許可は別途取得する必要があります。

なお、外国人育成就労機構は、その業務として、職業安定法 33 条1項(無料職業紹介事業の許可制)及び船員職業安定法34条1項(無料の船員職業紹介事業の許可制)の規定にかかわらず、機構実施職業紹介事業(外国人育成就労機構が、育成就労実施者又は育成就労を行わせようとする者のみを求人者とし、育成就労外国人等のみを求職者とし、求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における育成就労に係る雇用関係の成立をあっせんすることを業として行うもの)を行うことができます(育成就労法 87 条の2第1項)。

監理支援機関の許可の区分

技能実習制度においては、監理団体の許可には、事業区分として、①一般監理事業(第1号、第2号及び第3号の技能実習の実習監理が可能)、②特定監理事業(第1号及び第2号のみの技能実習の実習監理が可能)の2区分が存在し(技能実習法 23 条1項1号、2号)、一般監理事業の許可を受けるためには、高い水準を満たした優良な監理団体でなければなりませんでした(技能実習法25 条1項7号)。

それに対し、育成就労制度においては、「育成就労」は一つの在留資格であり(入管法別表第1の2の表の育成就労の項の下欄)、旧在留資格「技能実習」に係る第1号ないし第3号のような区分がなく、そのため、監理支援機関の事業区分も存在しません(育成就労法 23 条1項)。

但し、監理支援機関の許可の有効期間に関しては、原則としては「3年を下回らない政令で定める期間」とされる一方で(育成就労法 31 条1項本文)、監理型育成就労の実施状況の監査その他の業務の遂行に関して主務省令で定める基準に適合している者であると主務大臣が認めるときは、「5年を下らない政令で定める期間」とされます(育成就労法 31 条1項但書)。このように、優良な監理支援機関は長い許可の有効期間が付与されます。

監理支援機関の許可の有効期間

監理支援機関の許可の原則的な有効期間は、「3年を下回らない政令で定める期間」です(育成就労法 31 条1項本文)。監理型育成就労の実施状況の監査その他の業務の遂行に関して主務省令で定める基準に適合している者であると主務大臣が認めるときは、「5年を下らない政令で定める期間」です(育成就労法 31 条1項但書)。

許可の有効期間の満了後引き続き当該許可に係る監理支援事業を行おうとする者は、監理支援機関許可有効期間更新申請書を外国人育成就労機構に提出しなければなりません(育成就労法 31 条2項、5項、23 条2項、24条3項)。許可の有効期間の更新申請に際しては、許可基準(育成就労法 31 条3項、25 条1項各号)を満たしていることを証明する書類その他必要な書類を提出しなければなりません(育成就労法 31 条5項、23 条3項)。

監理支援機関の許可の条件

監理支援機関の許可には条件が付されることや、付された条件が変更されることがあります(育成就労法 30 条1項)。なお、付される条件は、許可の趣旨に照らして、又は当該許可に係る事項の確実な実施を図るために必要な最小限度のものに限り、かつ、当該許可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであってはなりません(育成就労法 30 条2項)。
監理支援機関は、許可に条件が付された後に、条件が付された理由が解消された場合には、当該条件の解除を申し出ることができます(育成就労法 30 条1項「変更」、2項)。

監理支援機関の許可要件

監理支援機関の許可要件は、許可基準(育成就労法 25 条1項)に適合し、かつ欠格事由(育成就労法 26 条)に該当しないことです。

許可基準

育成就労法 25 条1項は、監理支援機関の許可基準を次の1〜7のとおり規定しています。

外部監査人を設置せずに外部役員を選任することも認めていた(技能実習法25 条1項5号イ)技能実習制度における監理団体とは異なり、育成就労制度における監理支援機関については、外部監査人の設置を許可基準として義務付けています(育成就労法 25 条1項5号)。

  1. 本邦の営利を目的としない法人であって主務省令で定めるものであること(育成就労法 25 条1項1号)
  2. 監理支援事業を適正に遂行するに足りる能力を有するものとして主務省令で定める基準に適合しているものであること(育成就労法 25 条1項2号)
  3. 監理支援事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有するものとして主務省令で定める基準に適合しているものであること(育成就労法 25 条1項3号)
  4. 個人情報を適正に管理し、並びに監理型育成就労実施者等及び監理型育成就労外国人等の秘密を守るために必要な措置を講じていること(育成就労法 25 条1項4号)
  5. 監事その他法人の業務を監査する者による監査のほか、監理型育成就労実施者と主務省令で定める密接な関係を有しない者であって、職務の執行の監査を公正かつ適正に遂行することができる知識又は経験等を有することその他主務省令で定める要件に適合するものに、主務省令で定めるところにより、役員の監理支援事業に係る職務の執行の監査を行わせるための措置を講じていること(育成就労法 25 条1項5号)
  6. 外国の送出機関から監理型育成就労の対象となろうとる外国人からの監理型育成就労に係る求職の申込みの取次ぎを受けようとする場合にあっては、外国の送出機関との間で当該取次ぎに係る契約を締結していること(育成就労法 25 条1項6号)
  7. 上記のほか、申請者が、監理支援事業を適正に遂行することができる能力を有するものであること(育成就労法 25 条1項7号)

欠格事由

育成就労法 26 条は、監理支援機関の許可の欠格事由を規定しています。基本的に、監理団体の許可の欠格事由を規定した技能実習法 26 条に準じています。

監理支援機関の遵守事項

認定育成就労計画に従った監理支援等

監理支援機関は、認定育成就労計画に従い、当該育成就労外国人に係る育成就労の監理支援を行わなければなりません(育成就労法 39 条1項)。

監理支援機関は、育成就労実施者が育成就労外国人が修得した技能の評価を行うに当たっては、当該育成就労実施者に対し、必要な指導及び助言を行わなければなりません(育成就労法 39 条2項)。

育成就労外国人が転籍を希望する際の連絡調整及び職業紹介等監理支援機関は、主務省令で定める基準に従い、育成就労法8条の4第5項及び育成就労法 51 条1項、2項に規定する措置(育成就労外国人が育成就労実施者の変更を希望する際の連絡調整及び職業紹介等)その他の必要な措置を適切に行わなければなりません(育成就労法 39条3項)。

監理支援機関は、育成就労の実施状況の監査その他の業務の実施に関し主務省令で定める基準に従い、その業務を実施しなければなりません(育成就労法 39 条4項)。

監理支援機関は、育成就労実施者と主務省令で定める密接な関係を有する役員又は職員を、主務省令で定めるもの(監理支援、監査、指導・助言等が想定されます。)の実施に関わらせてはなりません(育成就労法 39 条5項)。

名義貸しの禁止

監理支援機関は、自己の名義をもって、他人に監理支援事業を行わせてはなりません(育成就労法 38 条)。
これに違反した場合には、罰則の対象となります(育成就労法109 条4号)。

監理支援機関の許可(育成就労法 23 条1項)を受けずに監理支援事業を行った者についても、罰則の対象となります(育成就労法 109 条1号)。このように、名義貸しをした監理支援機関のみならず、監理支援機関から名義貸しを受けた者(名義借りをした者)も罰則の対象となります。

監理支援責任者の設置等

監理支援機関は、監理支援事業を行う事業所ごとに、欠格事由(育成就労法 40 条2項)に該当しない監理支援責任者を選任しなければなりません(育成就労法 40 条1項)。

監理支援責任者は、監理支援事業に関し次の1〜6に掲げる事項を統括管理します(育成就労法 40 条1項)。

  1. 育成就労外国人の受入れの準備に関すること(育成就労法 40 条1項1号)
  2. 育成就労外国人の技能の修得に関する育成就労実施者への指導及び助言並びに育成就労実施者との連絡調整に関すること(育成就労法 40 条1項2号)
  3. 育成就労外国人の保護に関すること(育成就労法 40 条1項3号)
  4. 育成就労実施者等及び育成就労外国人等の個人情報の管理に関すること(育成就労法 40 条1項4号)
  5. 育成就労外国人の労働条件、産業安全及び労働衛生に関し、育成就労実施責任者(育成就労法9条1項6号、2項5号)との連絡調整に関すること(育成就労法 40条1項5号)
  6. 国及び地方公共団体の機関であって育成就労に関する事務を所掌するもの、外国人育成就労機構その他関係機関との連絡調整に関すること(育成就労法 40 条1項6号)

監理支援機関は、育成就労実施者が、育成就労に関し労働基準法、労働安全衛生法その他の労働に関する法令に違反しないよう、監理支援責任者をして、必要な指導を行わせなければなりません(育成就労法 40 条3項)。

監理支援機関は、育成就労実施者が、育成就労に関し労働基準法、労働安全衛生法その他の労働に関する法令に違反しているときは、監理支援責任者をして、是正のため必要な指示を行わせなければなりません(育成就労法 40 条4項)。そして、監理支援機関は、育成就労法 40 条4項の是正指示を行ったときは、速やかに、その旨を労働基準監督署等の関係行政機関に通報しなければなりません(育成就労法 40 条5項)。

帳簿書類の作成、備置き

監理支援機関は、監理支援事業に関して、主務省令で定める帳簿書類を作成し、監理支援事業を行う事業所に備えて置かなければなりません(育成就労法 41 条)。これらの帳簿書類は、外国人育成就労機構が行う実地検査や主務大臣が行う立入検査の際にも提示できるよう適切に作成して備え置いておく必要があります。

個人情報の管理

監理支援機関は、個人情報を適正に管理するために必要な措置を講じなければなりません(育成就労法 43 条2項)。監理支援機関の役職員又は役職員であった者は、正当な理由なく、その業務に関して知ることができた秘密を漏らし、又は盗用してはなりません(育成就労法 44条)。

報告、届出

監理支援機関は、許可を受け、育成就労の実施に関する監理を開始した後も、育成就労法で定められた報告及び届出の手続を、定められた様式に従って行う必要があります(育成就労法 42 条1項の監査報告、育成就労法 33条1項の育成就労実施困難時届出、育成就労法 42 条2項の事業報告、育成就労法 32 条1項の変更届出、育成就労法 32 条4項の変更届出及び許可証書換申請、育成就労法34 条1項の事業休止届出、育成就労法 34 条1項の事業廃止届出等)。その手続は、基本的に技能実習制度における監理団体の報告及び届出に準じています。

監理支援費

監理支援機関は、監理支援事業に通常必要となる経費等を勘案した適正な種類及び額の監理支援費を、育成就労実施者等へあらかじめ用途及び金額を明示した上で徴収することができます(育成就労法 28 条2項)。

監理支援機関は、この監理支援費を除いて、監理支援事業に関し、育成就労実施者及び育成就労外国人等の関係者から、いかなる名義でも、手数料又は報酬を受けてはなりませ
ん(育成就労法 28 条1項)。これに違反した場合は、6月以下の拘禁刑又は 30 万円以下の罰金に処せられます(育成就労法 111 条2号)。

監理支援機関に対する処分等

監理支援機関に対する処分等として、報告徴収等(育成就労法 35 条1項)、改善命令(育成就労法 36 条1項)、監理支援機関の許可の取消し(育成就労法 37 条1項)及び事業停止命令(育成就労法 37 条2項)が規定されており、いずれも基本的に、技能実習制度における監理団体に対する処分等に準じています。

関係機関

外国人育成就労機構

外国人育成就労機構の目的

外国人育成就労機構は、育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護を図り、もって育成就労産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を有する人材の育成及び育成就労産業分野における人材の確保に寄与することを目的とします(育成就労法 57 条)。

外国人育成就労機構の業務範囲、関係機関との連携

外国人育成就労機構は、育成就労法 87 条1項が規定する育成就労に関する業務及び②育成就労法 87 条2項を受けた入管法 69 条の2の2が規定する特定技能に関する業務(特定技能外国人からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行う業務及びこれらの業務に附帯する業務)を行います。

外国人育成就労機構は、育成就労外国人等が育成就労の対象となること又は育成就労を継続することに資する業務として、職業紹介をすることが必要な場合において、求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における育成就労に係る雇用関係の成立をあっせんすることも行います(育成就労法 87 条1項3号ハ)。

外国人育成就労機構及び公共職業安定所又は地方運輸局は、次のとおり相互に連携を図りながら協力しなければなりません。
育成就労外国人から転籍希望の申出があった場合において、外国人育成就労機構が相談に応じ、必要な情報の提供、助言、職業紹介その他の援助を行うこと(育成就労法8条の4第3項、4項)、
育成就労外国人から転籍希望の申出があった場合において、育成就労実施者又は監理支援機関が関係者との連絡調整その他の必
要な措置を講じること(育成就労法 51 条1項)、
育成就労認定が取り消され、当該外国人が新たに育成就労の対象となることを希望する場合において、監理支援機関が当該希望を実現できるよう、関係者との連絡調整その他の必要な措置を講じること(育成就労法51条2項)、
外国人育成就労機構が、育成就労外国人等が育成就労の対象となること又は育成就労を継続することに資する業務を行うこと(育成就労法 87 条1項3号)が円滑に行われるよう、相互に連携を図りながら協力しなければなりません(育成就労法106条3項)。外国人育成就労機構は、この連携を図るため、公共職業安定所又は地方運輸局に対し、主務省令で定めるところにより必要な情報の提供を行います(育成就労法 106 条4項、87 条1項3号ニ)。

分野別協議会

分野所管行政機関の長は、当該分野所管行政機関の長及びその所管する個別育成就労産業分野に係る育成就労実施者又は監理支援機関を構成員とする団体その他の関係者により構成される協議会(分野別協議会)を組織することができます(育成就労法 54 条1項)。

分野別協議会は、その構成員が相互の連絡を図ることにより、育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に有用な情報を共有し、その構成員の連携の緊密化を図るとともに、個別育成就労産業分野の実情を踏まえた育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に資する取組みについて協議を行います(育成就労法 54 条3項)。

地域協議会

地域において育成就労に関する事務を所掌する国の機関は、当該機関及び地方公共団体の機関その他の関係機関により構成される協議会(地域協議会)を組織することができます(育成就労法 56 条1項)。

地域協議会は、その構成員が相互の連絡を図ることにより、育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に有用な情報を共有し、その構成員の連携の緊密化を図るとともに、その地域の実情を踏まえた育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に資する取組みについて協議を行います(育成就労法 56 条3項)。

育成就労 外国人 に対する保護方策

禁止行為

育成就労法は、監理支援機関の許可制、育成就労計画の認定制、外国人育成就労機構や主務大臣による実地検査等の制度を設け、管理監督体制を強化することにより、育成就労外国人の保護を図っています。そのほか、技能実習制度に準じて、暴力、脅迫、監禁等による育成就労の強制の禁止(育成就労法 46 条)、育成就労に係る契約の不履行についての違約金等の禁止(育成就労法 47 条1項、2項)、旅券や在留カードの保管の禁止(育成就労法48 条1項)及び私生活の自由の不当な制限の禁止(育成就労法 48 条2項)という禁止行為を定め、育成就労実施者若しくは監理支援機関又はこれらの役職員が違反する事実がある場合においては、育成就労外国人は、その事実を入管庁長官及び厚生労働大臣に申告することができるとしています(育成就労法 49 条1項)。

また、この申告をしたことを理由として、育成就労外国人に対して不利益な取扱いをすることを禁止しています(育成就労法49 条2項)。

相談・支援体制

相談、情報提供、助言その他の援助

入管庁長官及び厚生労働大臣並びに外国人育成就労機構は、育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護を図るために育成就労外国人からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行います(育成就労法50 条2項、87 条1項1号ロ、2号、3号イ)。また、外国人育成就労機構は、育成就労外国人等が育成就労の対象となること又は育成就労を継続することに資する業務として、職業紹介をすることが必要な場合において、求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における育成就労に係る雇用関係の成立をあっせんすること(機構実施職業紹介事業)も行います(育成就労法 87 条1項3号ハ、87 条の2第1項)。

育成就労実施者の変更(転籍)の支援

育成就労法は、育成就労実施者及び監理支援機関に対し、育成就労を行わせることが困難となった場合の通知・届出義務(育成就労法 19 条、33 条)及び育成就労継続に関する対応義務(育成就労法 51 条)を課しています。

育成就労実施者及び監理支援機関は、育成就労を行わせることが困難となった場合の通知・届出をしようとするときは、引き続き育成就労を継続することを希望する育成就労外国人が育成就労を継続することができるよう、他の育成就労実施者又は監理支援機関その他関係者との連絡調整その他の必要な措置を講じなければなりません(育成就労法 51 条1項)。

また、監理支援機関は、育成就労認定が取り消された場合において、当該外国人が新たに育成就労の対象となることを希望するときは、当該外国人が新たに育成就労の対象となることができるよう、他の育成就労実施者又は監理支援機関その他関係者との連絡調整その他の必要な措置を講じなければなりません(育成就労法 51 条2項)。

そして、入管庁長官及び厚生労働大臣は、上記の各措置の円滑な実施のためその他必要があるときは、育成就労実施者、監理支援機関その他関係者に対する必要な指導及び助言を行うことができます(育成就労法 51 条3項)。

また、外国人育成就労機構が、育成就労外国人からの相談に対応し、保有情報を活用しながら、転籍先の調整やあっせんも含む支援を実施します(育成就労法 87 条1項2号、3号、5号)。

育成就労外国人は、育成就労実施者の変更(転籍)を希望するときは、主務省令で定めるところにより、書面をもって、育成就労実施者の変更を希望する旨を、①育成就労実施者若しくは②監理支援機関又は③入管庁長官及び厚生労働大臣(単独型にあっては、①育成就労実施者又は②入管庁長官及び厚生労働大臣)のいずれかに申し出ることができます育
成就労法8条の2第1項)。なお、入管庁長官及び厚生労働大臣は、外国人育成就労機構に、上記の申出に係る事務を行わせることができます(育成就労法8条の3第1項)。

そして、転籍希望の申出があった場合の連絡調整等として、外国人育成就労機構は、育成就労実施者の変更(転籍)の希望の申出に係る育成就労外国人が他の育成就労実施者の育成就労の対象となること等により育成就労の継続が可能となるよう、当該育成就労外国人からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言、職業紹介その他の援助を行わなければなりません(育成就労法8条の4第3項)。

また、監理支援機関は、育成就労実施者の変更(転籍)の希望の申出又は通知を受けたときは、当該申出又は通知に係る育成就労外国人が他の育成就労実施者の育成就労の対象となること等により育成就労の継続が可能となるよう、他の育成就労実施者又は監理支援機関その他関係者との連絡調整、職業紹介その他の必要な措置を講じなければなりません(育成就労法8条の4第5項)。

入管庁長官及び厚生労働大臣は、上記の監理支援機関による措置(育成就労法8条の4第5項)の円滑な実施のためその他必要があるときは、育成就労実施者、監理支援機関その他関係者に対する必要な指導及び助言を行うことができます(育成就労法 51 条3項)。

法違反事実の入管庁長官及び厚生労働大臣への申告権育成就労実施者若しくは監理支援機関又はこれらの役職員に育成就労法令違反事実がある場合は、育成就労外国人は、入管庁長官及び厚生労働大臣に申告できます(育成就労法 49 条1項)。

育成就労実施者若しくは監理支援機関又はこれらの役職員は、申告を理由として育成就労の中止その他不利益取扱いをしてはならず(育成就労法 49 条2項)、この違反に対する罰則(6月以下の拘禁刑又は 30 万円以下の罰金)が規定されています(育成就労法 111 条7号)。

罰則の整備

育成就労法は、育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護(育成就労法1条)を図るために、以下のとおり罰則を設けています。

育成就労外国人の保護を図るための罰則

育成就労法は、育成就労外国人の保護を図るために、次のとおり、監理支援機関及び育成就労実施者に対する罰則を整備しています。また、法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、罰則の対象となる違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科することとしています(両罰規定。育成就労法 113 条)。なお、罰則の対象とはならなくても、禁止されている行為もあることに留意する必要があります。

育成就労の適正な実施を図るための罰則

育成就労法は、育成就労の適正な実施を図るために、次のとおり、監理支援機関及び育成就労実施者等に対する罰則を整備しています(外国人育成就労機構、分野別協議会及び地域協議会に係る規定は除いています。)。また、法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、罰則の対象となる違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科することとしています(両罰規定。育成就労法 113 条)。

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2. 令和6年改正入管法(特定技能制度関係等)の解説

新たな在留資格の創設

在留資格「育成就労」

入管法改正により、「技能実習」の在留資格を廃止するとともに、「育成就労」の在留資格を創設します(入管法別表第1の2の表の育成就労の項の下欄)。入管法別表第1の2の表の育成就労の項の下欄は、「育成就労」に係る在留資格該当性として、「育成就労法第 11 条第1項に規定する認定育成就労計画に基づいて、講習を受け、及び育成就労法第2条第2号に規定する育成就労産業分野に属する技能を要する業務に従事する活動」を規定しています。

育成就労産業分野とは、特定産業分野のうち、外国人にその分野に属する技能を本邦において就労を通じて修得させることが相当であるものとして主務省令で定める分野をいいます(育成就労法2条2号)。特定産業分野とは、人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野として法務省令(特定技能分野等省令)で定めるものをいい(入管法別表第1の2の表の特定技能の項の下欄1号)、特定技能外国人の受入対象分野を意味します。

技能実習制度においては、企業単独型及び団体監理型のいずれについても、その段階ごとに、在留資格が、「技能実習1号」(1年目)、「技能実習2号」(2~3年目)、「技能実習3号」(4~5年目)に分かれ、これらは、いずれも別の在留資格でした(改正前入管法2条の2第1項括弧書、2項括弧書)。また、「技能実習1号」、「技能実習2号」、「技能実習3号」のうち、企業単独型(「技能実習1号イ」、「技能実習2号イ」、「技能実習3号イ」)と団体監理型(「技能実習1号ロ」、「技能実習2号ロ」、「技
能実習3号ロ」)の区分も、それぞれ別の在留資格でした(改正前入管法2条の2第1項括弧書、2項括弧書)。

それに対し、「育成就労」は、単独型育成就労及び監理型育成就労を包含し、また、何年目であるかの段階を問わず、1個の在留資格です。

在留資格「企業内転勤2号」

入管法改正により、「企業内転勤2号」の在留資格を創設します(入管法別表第1の2の表の企業内転勤の項の下欄2号)。

入管法別表第1の2の表の企業内転勤の項の下欄2号は、「企業内転勤2号」に係る在留資格該当性として、本邦に本店、支店その他の事業所のある公私の機関のうち、当該機関の事業の規模、本邦の事業所における受入れ体制等が技能、技術又は知識(以下「技能等」といいます。)を適正に修得させることができるものとして法務省令で定める基準に適合するものの外国にある事業所の職員が、技能等を修得するため、本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において講習を受け、及び技能等に係る業務に従事する活動(「企業内転勤1号」に係る活動及び「育成就労」に係る活動を除きます。)を規定しています。

「企業内転勤2号」は、従来行われてきた企業単独型技能実習のうち、育成就労産業分野において国内での3年間の就労を通じて「特定技能1号」に係る技能水準にまで育成するという育成就労制度になじまないものの、実施の意義がある一定の技能等の修得活動を想定しています。

「企業内転勤2号」は「企業内転勤1号」(令和6年法律第 60 号による改正前入管法における「企業内転勤」に相当)とは別の在留資格であり(入管法2条の2第1項括弧書、2項括弧書)、「企業内転勤1号」とは異なり、家族帯同は認められません(入管法別表第1の4の表の家族滞在の項の下欄括弧書)。

特定技能制度の適正化

特定技能所属機関が1号特定技能外国人に対する義務的支援(入管法 19 条の 22 第1項)を外部委託する場合の委託先を、登録支援機関(入管法 19 条の 27 第1項)に限ることとしました(入管法 19 条の 22 第2項)。これにより、義務的支援の(全部ではなく)一部であっても、その実施を登録支援機関以外の者に委託することは認められないこととなりました。

不法就労助長罪の厳罰化

外国人に不法就労活動をさせる等の不法就労助長罪の法定刑が、「3年以下の拘禁刑若しくは 300 万円以下の罰金又はこれらの併科」から、「5年以下の拘禁刑若しくは500 万円以下の罰金又はこれらの併科」に引き上げられました(入管法 73 条の2第1項)。

永住許可制度の適正化等

永住許可の要件(国益適合要件)の明確化

永住許可要件のうち、国益適合要件の内容について、「この法律に規定する義務の遵守、公租公課の支払等」との文言が加わり、明確化されました(入管法 22 条2項柱書)。

永住者に係る在留資格取消事由の追加

永住許可の要件たる国益適合要件の明確化を前提に、永住者が当該要件を満たさなくなった場合等を在留資格取消事由として追加しました(入管法 22 条の4第1項8号、9号)。

具体的には、次の①ないし③が永住者に係る在留資格取消事由として追加されました。③に掲げられている犯罪は、入管法別表第1の在留資格をもって在留する者に係る退去強制事由たる入管法 24 条4号の2に掲げられているものと同じです。

なお、①及び②の入管法 22 条の4第1項8号の適用に当たっては、「永住者」の在留資格をもって在留する外国人の適正な在留を確保する観点から、同号に該当すると思料される外国人の従前の公租公課の支払状況及び現在の生活状況その他の当該外国人の置かれている状況に十分配慮するものとされます(令和6年法律第 60 号附則 25条)。また、「永住者に対する永住許可の取消及び職権による在留資格の変更を行おうとする場合には、既に我が国に定住している永住者の利益を不当に侵害することのないよう、定着性及び法令違反の悪質性等の個別事情を厳正に判断するとともに、具体的な事例についてのガイドラインを作成し周知するなど、特に慎重な運用に努めること。また、その場合における永住者の家族の在留資格の取扱いについて、十分な配慮を行うものとすること。」と衆議院及び参議院においてそれぞれ附帯決議されています。

①永住者の在留資格をもつて在留する者が、入管法に規定する義務を遵守しないこと(入管法 22 条の4第1項11 号(中長期在留者が正当な理由がないにもかかわらず 90 日以内に新住居地の届出をしないこと)及び 12号(中長期在留者が虚偽の住居地を届け出たこと)に掲げる事実に該当する場合を除きます。)(入管法 22 条の4第1項8号)

②永住者の在留資格をもつて在留する者が、故意に公租公課の支払をしないこと(入管法22条の4第1項8号)

③永住者の在留資格をもつて在留する者が、刑法第2編第 12 章、第 16 章から第 19 章まで、第 23 章、第 26章、第 27 章、第 31 章、第 33 章、第 36 章、第 37 章若しくは第 39 章の罪、暴力行為等処罰に関する法律1条、1条ノ2若しくは1条ノ3(刑法 222 条又は 261条に係る部分を除きます。)の罪、盗犯等の防止及び処分に関する法律の罪、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律 15 条若しくは 16 条の罪又は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律2条若しくは6条1項の罪により拘禁刑に処せられたこと(入管法 22 条の4第1項9号)

永住者の在留資格の取消しに伴う職権による在留資格の変更

法務大臣は、永住者の在留資格をもつて在留する外国人について、上記2の①ないし③の事実(入管法 22 条の4第1項8号又は9号に掲げる事実)が判明したことにより在留資格の取消しをしようとする場合には、当該外国人が引き続き本邦に在留することが適当でないと認める場合を除き、職権で、永住者の在留資格以外の在留資格への変更を許可します(入管法 22 条の6第1項)。

中長期在留者(入管法 19 条の3)に該当する在留資格への変更が許可されるとは限りません(入管法 22 条の6第2項2号参照)。

在留資格取消事由に係る通報制度の創設

国又は地方公共団体の職員は、その職務を遂行するに当たって入管法 22 条の4第1項各号の在留資格取消事由のいずれかに該当すると思料する外国人を知ったときは、その旨を書面又は口頭をもって、所轄の入国審査官又は入国警備官に通報することができることとなりました(入管法 62 条の2第1項、2項)。

参考:令和6年入管法等改正法について(出入国在留管理庁)

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