出入国在留管理庁 関係者ヒアリング 令和2年度

日本政府( 出入国在留管理庁 )では、出入国在留管理行政のあり方を考えるために、広く国民の声を聴くという観点に立ち、幅広い関係者から意見等を聴取する関係者ヒアリングを実施しています。

参考:出入国在留管理庁

佐賀県鳥栖市

令和3年2月19日

鳥栖市の概要

  • 人口: 73,894人(令和元年12月現在)
  • 外国人住民数の推移:
    • 平成22年から令和2年まで外国人住民が増加。
    • 主な国籍: 中国、韓国、フィリピン、ネパール、ベトナムなど。
    • 鳥栖市の外国人住民数はここ10年でほぼ2倍になっている。直近の数値だと 27 か国の外国人が住民となっている。
    • 平成 27 年に市内で2校目の日本語学校が開校し、平成 29 年に外語専門学校が開校したことから、留学生が増加している。○ 留学生と技能実習生は、ここ5年で 1.5 倍くらいになっている。
    • 近年は、専門学校を卒業し、市内で就職する人も増えており、長く住む人が増えてきている。

多文化共生の課題

  • 言語の壁:
    • 日本語指導を受けられない外国人が生活や就業で困難を経験。
  • 文化的誤解:
    • ゴミの分別や交通ルールの認識違いなどで地域トラブルが発生。
  • 社会的孤立:
    • 地域住民との交流不足により、孤立や生活困窮のリスクが増加。

外国人支援施策

  1. イベント開催:
    • 「こくさいカフェ」などの交流イベントで地域住民と外国人の相互理解を促進。
  2. 情報発信:
    • 市報で「やさしい日本語」クイズや外国人向け情報を提供。
  3. 日本語教室:
    • 「とすにほんごひろば~とりんす~」を通じて、日本語や生活ルールを学ぶ場を提供。
  4. 人材育成:
    • 日本語教育ボランティア「にほんごパートナー」の養成。

地域日本語教育の体制整備

  • 平成 28 年度までは、日本語学習を希望する外国人に対しては,市民ボランティアが主体となり実施している日本語教室などの広報を行ってきたが、市内唯一の日本語教室が閉鎖されることとなったのをきっかけに、市主導で日本語教室の開設を目指すこととなった。
  • 日本語教室の開設に当たって、文化庁の地域日本語教育スタートアッププログラムを利用。3年間の事業で、1年目はアドバイザー会議を4回開催、情報収集やアンケート調査を行った。2年目は、関係課等との調整、人材育成のための調整、日本語教室開設に向けた準備・検討。3年目は、月に2回日本語教室を開催。
  • 留学生は、日本語教室での受講の対象外
  • 令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、日本語教室の開催が中止され、6月からオンラインによる開催を再開した。オンラインでの開催では、自宅から参加できることもあり、それまでは参加していなかった学習者が参加してくれるようになった。
  • 日本語教室の受講者で最も多いのは、技能実習生で、次いで、日本人の配偶者、家族滞在の順。

令和元年度以降の取り組み

  • 入管法改正による外国人増加を見越し、「やさしい日本語」の普及を重点施策として実施。
  • 具体策:
    • 多国籍化に対応するための情報提供と教育の強化。
    • 災害時や日常生活で役立つ日本語教育の実施。

「やさしい日本語」の意義

  • 特徴:
    • 高齢者や子どもにも分かりやすい表現。
    • 外国人の生活支援だけでなく、地域住民全体の利便性向上にも寄与。
  • :
    • 「土足厳禁」→「くつをぬいでください」
    • 「高台に避難する」→「高いところへ逃げる」

地域日本語教育の体制整備

  • 外国人に対する情報発信については、「やさしい日本語」を普及させることが課題。
  • 災害時のエリアメールは、字数制限によりやさしい日本語化が難しいため、日本語教室のフェイスブックを利用してやさしい日本語で情報発信を行っている。

国への要望

  • 受入れ機関により外国人の日本語のレベルに差があり、日本の生活ルールを知らない者もいるため、国が働きかけをし、改善してもらいたい。
  • 日本語教育について、人材不足が懸念されているため、420 時間の養成講座を受講した者がもっと多く輩出されるような取組を行ってほしい。
  • 国の機関のホームページについて、ある程度ニーズのある言語については、多言語化してほしい。

現場から見えた相談事業の変化と「やさしい日本語」の活用 ~ NPO法人国際活動市民中心 「 CINGA 」

令和3年2月22日

「 CINGA 」事業概要

CINGAは 2004 年に設立されたNPO法人。外国人相談をメインの事業としており、5つの相談センターの業務を受託。約 60 名が相談センターにおいて勤務しており、14 言語以上に対応。

東京都からの協力依頼を受けて東京都外国人新型コロナ生活相談センター(「TOCOS」)を東京都、東京都国際交流委員会、CINGAにて立ち上げた。

相談内容の具体例と対応

情報提供

  • 課題: 情報が迅速に変化する中で、正確かつ分かりやすい情報を伝えるのが難しい。
    • 医療情報やPCR検査案内が求められる。
    • 多くの案内が日本語のみで苦慮するケースが頻発。
  • 対応:
    • コーディネーターが不足情報をフォロー。
    • 初期対応は「やさしい日本語」で実施。

相談

  • 増加した相談内容:
    • 短期在留者や非正規滞在者に対する行政サービスの不足。
    • 解雇、賃金未払い、手続き拒否など労働関連。
    • 帰国困難に伴う経済的困窮。
  • 対応:
    • NPOや専門組織と連携し対応。
    • 心理的な不安に対する相談も多い。

通訳

  • 保健所や地域福祉協議会、役所などとの手続き時に通訳が求められる。
  • コロナ感染者増加に伴い、保健所からの通訳依頼が増加。

調整

  • 行政窓口で外国人住民との接点が少ないため、窓口対応の調整が必要。
  • PCR検査実施時の通訳調整。

日本語教育について

  • 日本語教育については、文化庁が都道府県と政令指定都市を対象に体制整備を行っている。
  • 外国人が日本語を習得することにより、外国人自身のためだけでなく、日本社会の負担も軽減される。日本全体の利益になるという視点で取り組む必要がある。
  • 日本語教育の人材育成について、初等教育における人材育成が最も重要である。
  • ICTの活用においては、遠隔で学習する人の学びを支援する、またアセスメントする役割を行政が担わなければならず、人材の育成が必要である

やさしい日本語の意義

  • 災害時の情報発信や、行政窓口での対応において有効。
  • 高齢者や子どもにも分かりやすい言語として注目。
  • 外国人だけでなく、地域社会全体で活用する共通言語として推進すべき。

ワンストップ相談センターの運営

効果的な運営に向けた要点

  • 相談員やコーディネーターの役割の明確化。
  • 国際交流協会との連携強化。
  • 多言語支援体制の整備。
  • 困難事例への対応を可能にする専門職とのネットワーク形成。

課題

  • 相談員の取りまとめやコーディネーターの不在。
  • 多言語支援の不十分さ。
  • 相談に来ないケースや外部支援のみに頼る状況。

細かな課題

  • 相談票の様式や管理方法の違い。
  • 多言語電話通訳の有効活用ができていない。
  • 出張相談や専門家相談に人が集まらない。

FRESCについて

省庁を超えた多岐にわたる支援を専門的にできる組織が必要である。 FRESCにおいて総合的な情報を集めて、その情報を省庁に提供することができたら良い。FRESCの強化は大事である。

一般社団法人外国人雇用協議会

令和3年3月5日

活動概要

日本語教育や留学生のリクルーティングに関わってきた。日本語を母語としない児童への日本語教育の統括、中国残留孤児の方々への日本語教育にも携わって
きた。

外国人を受け入れる企業の課題等について

  • 企業は外国人材に日本語能力試験N1以上等の非常に高い日本語能力を求めがち。日本人側がノンネイティブの日本語に慣れるシーンを増やすことは重要だと思う。
  • 外国人材を採用する際に社内の意思統一がなされていない。トップは外国人材を採用しようと考えているが、現場は経験がないため採用に及び腰で、人事はトップと現場の板挟みになってしまう。
  • 受入側の心構えや日々の業務の中での留意点、外国人材のキャリアパスや評価をどうするのか、それをどうやって可視化するのか、そういう体制整備も重要。

日本語学習のモチベーションについて

日本語学習のモチベーションについては、その外国人材に必要な日本語が何かを明らかにすることが必要。

基本的な語彙を教えることにこだわるよりも、仕事で使用する専門用語等を教えていくとモチベーションが高まる。

これは生活においても同様であり、例えば買い物や病院に行くために知っておいた方がいい日本語の教育を受けることができれば、一般的なテキストを読む
よりも覚えるようになる。

行政の情報発信について

外国人の方たちに話を聞くと、行政が行っている取組について情報を入手する術がないという話をよく聞く。ボランティア教室があるならば、どこでどのような内容をやっているのか、地方自治体等が外国語で情報発信しているといいと思う。

技能実習生や特定技能外国人が住んでいる過疎地域で、日本語教室等の空白地域となっている場所は、なかなか情報も教育も受けられない。スマホ等で情報を得られたり勉強をできたりするといい。

行政の取組があってもホームページにたどり着けず、活用されていない。もったいない。一次情報でもいいのでSNS等で周知する努力が重要ではないかと思う。国籍によってよく使用するメディアが分かれているところもあるため、それを活用できるといいのではないか。

ということが可視化されるべきだと思う。

共生社会の実現に係る政策全般について

既存のリソースをうまく活用するといいのではないか。例えば、小中学校や高校の先生方にも日本語教育を受けていただき、その費用を行政が負担するなど。
子供のころから日本人に対して共生に係る教育をすることも必要ではないか。
外国人が日本で生活をしていく上で孤立させないということは重要。外国人の多い地域で、自治体が地元の企業や住民を巻き込んで外国人との共生に係る取組を行うという好事例はいくつか見られるので、このような取組を広げていくことが重要だと思う。

日本行政書士会連合会

令和3年3月9日

在留諸申請の取次以外で行政書士が在留外国人に行っている支援

一部地域では、行政書士会が外国人サポートセンターの運営を受託。
コロナ禍によって失業に至った在留外国人からの相談も受ける。

在留外国人の子供の支援について

  • 外国籍の子供には、進路を決めるにあたり在留資格の問題が出てくる。早くから進路について検討し、必要な情報を得るという仕組みが必要。
  • 外国籍の子供は、日本語の学習、学習支援等色々な角度から支える必要がある。
  • 高校へ入学することにつまずいてしまう子供もいる。日本語を学ぶメリットが分からず、そこが解消されないため高校に進めない。日本語を学ぶことに在留資格上のインセンティブがあるといいのではないか。
  • 仮放免中の未成年者の多くが学校に通っているところ、健康保険がないことによって学校としては非常に神経を使わざるを得ないので、就学中の子供については、健康保険に加入できるようにしてほしい。

ランゲージワン株式会社

令和3年3月10日

活動概要

11歳のときに来日。中学生のときに弟が交通事故に遭い、家族とともに病院に行って医師の説明を通訳した。それをきっかけに、家族、親戚、友人等に求められて役所や病院に行って通訳をするようになった。
厚生労働省、法務省、総務省等の官公庁の通訳もするようになった。

医療通訳について

医療現場における説明に際して、在留外国人はある程度日本語が分かる人が多いため、本人にもある程度内容が分かるようにやさしい日本語で説明するとよいと思う。
現在は手を挙げるだけで通訳者になることができる状況だが、これは好ましくない。医療通訳については、厚生労働省のHPに通訳のカリキュラムが紹介されている。
医療通訳サービスの費用については病院側が負担するケースも患者側が負担するケースもある。

行政の情報発信について

在留外国人同士のSNSのコミュニティの中で日本での生活に関する質問がなされている様子をよく見る。行政の情報発信においてもSNSの活用は有効な対策だと思う。

国際交流協会のように外国人が集まる拠点を通じて情報発信をすることも有効。

行政が多言語で情報を発信していても在留外国人に届かないともったいない。情報発信についての広報活動が必要。

内定ブリッジ株式会社

令和3年3月15日

活動概要

外国人スタッフへの日本語コミュニケーション研修などを行っている。最近は自治体の予算による地域の外国人雇用企業支援が活発。

外国人材が直面する入社後の諸問題について

  • 企業は外国人材に非常に高い日本語能力(ネイティブレベルの日本語等)を求めがちである。
  • 働き方の文化等についても、日本人にとって当たり前の部分が言語化されていない。
  • 外国人材に対する支援について、専門用語の教育を見ても、雇用する企業により格差がある。国や自治体が責任をもって制度を構築し、ボトムアップを図ることが非常に重要。
  • 外国人雇用企業や業界団体も、専門用語を用いた業務が外国人材に予定されているのであれば、この課題に正面から向き合うべき。
  • 経済産業省「外国人留学生の採用や入社後の活躍に向けたハンドブック」は外国人材の採用から定着までをカバーしているものの、普及が限定的、全国自治体の外国人雇用企業支援の担当者にすらほとんど認知されていない。

日本語教育の在り方について

  • 地域の事業所の日本語教育に対する意識は総じて低い。外国人材の日本語教育を全額会社負担で支援しようとする会社も少なく、またその予算も少ない。
  • 外国人材の日本語教育において地域の日本語教室や地元企業との連携は極めて重要。
  • 語学学習には継続的な学習時間の確保が必要であり、日々の業務の合間に進められる外国人材の日本語学習は、企業側の理解や支援を必要としている。
  • 企業内日本語研修に対する助成金制度を有する自治体は少ない。
  • 地域日本語教室においてICTはあまり活用されていない。地域で働く外国人にオンラインで日本語を教えるというサービスは,全国的にもっと広がってもいい。
  • 特定技能等の在留資格では業務や職能に応じた日本語能力を判定するための試験が求められるようになっている一方で、職業分野ごとに求められる日本語能力の判定基準については策定が進んでいない。
  • 受益者たる企業が自社の業務に必要な日本語の内容やレベルをきちんと検討していない。企業は自社の業務に必要な日本語の基準を示すべきであり、入社前の研修も行うべきである。
  • 入社後の労務や専門用語等の教育についても業界別に企業または業界団体が行っていくというところが現実的であると思う。
  • 就業規則や業務マニュアルの多言語化・やさしい日本語化について、何らかの支援が必要だと考えている。

一般財団法人自治体国際化協会 「 CLAIR 」

令和3年3月16日

活動概要

CLAIRは,昭和63年に地方自治体を主体とした地域の国際化推進事業の支援、諸外国における地方行財政制度動向の調査研究等を目的とし、地域の国際化推進を支援するために自治体の共同組織として設立された一般財団法人である。

中期経営計画の柱の1つに「多文化共生のまちづくりを支援する」を掲げ、地域の多文化共生施策の着実な実施に取り組んでいる。

外国人住民向けの多文化情報ツール等の提供をしており、災害時の多言語支援のツールとして多言語表示シートや多言語指さしボードの作成、災害時の多言語支援のためのマニュアルの整備を行っている。ツールを実際に使ってもらい、自治体の国際部局と災害対応部局、地域国際化協会等、関係者の連携を図る研修をブロックごとに行っている。

自治体等の施策立案に資する情報発信として、各地域で作成されたガイドブックや防災マップなどの優良ツールをツールライブラリーに分野別に整理し共有するとともに、先進事例は事例集にまとめている。多文化共生ポータルサイトでは、各省庁の情報、各自治体、地域国際化協会の先進事例などを一元的に提供している。

情報発信の多言語化について

生活情報一般の多言語化は進んできている。中には日本人向けの情報を翻訳しただけのものや背景事情を知らない外国人には理解困難なものもある。出入国在留管理庁で作成している生活・就労ガイドブックに関しても、より分かりやすいものになるよう、外国人の企画委員を導入するなどして、ライフサイクルに沿った形で情報を提供するなど、見やすく充実させていくとよいのではないか。
生活・就労ガイドブックが充実すれば、各都道府県や自治体において、全国で共通して活用できる情報についての翻訳の負担が軽減され、自分の自治体に特化した情報の翻訳に注力することができる。

コロナ禍において、既存の制度説明等のストック情報の多言語化は充実してきているが、スピーディーに流すようなフロー情報の多言語化は弱さが出ている。

やさしい日本語のガイドラインが作成されたが、多言語化についても、どこまで国が対応するのか、どこから自治体が対応するのか、情報を提供するにあたりどこと連携するのか、外国人コミュニティのニーズに応じて何語で翻訳するか、外国人に分かりやすい情報発信の仕方とはどういうものか等を記載したガイドラインが必要なのではないか。

相談窓口の体制について

相談員に関しては、外国人・日本人問わず、傾聴スキル、多様性への理解、メンタル対応やネットワークの蓄積等といった専門性が必要。外国人の相談員には、日本の制度や生活習慣、地域社会に関する知識や経験が求められる。
出入国在留管理庁が一元的相談窓口に対する交付金をも出していることから、全国の交付金窓口で使える相談事例集を作成しており大変助かっている。今後、全国の対応好事例を充実させていくとともに,相談窓口の人材育成や対応技術の専門性について取りまとめた相談窓口のためのガイドブックを作成していくといいのではないか。外国人相談の基本は在留資格であるので、出入国在留管理庁による相談窓口を対象とした研修の充実も待たれる。
相談員という仕事は、語学ができれば、とか、外国人だから、というだけで、誰もが担える仕事ではないことから、研修制度を充実させるとともに、資格や認定制度などによりこれを専門職化し、人材を育成していくことが大事である。

外国人の子供に対する支援

外国人の子供についての対策を進めるに当たっては、教育支援だけではなく、母語支援、日本語支援のための人材育成や十分な助成、親に対する子どものキャリア形成等への理解や乳幼児期からの保健医療支援、困窮家庭への支援も含めた生活支援が必要になるなど、自治体内においても複数の部局にまたがって認識を共有することが重要であり、シームレスに支援していく必要がある。

横浜市教育委員会

令和3年3月26日

横浜市における外国籍児童生徒等の現状

横浜市における外国籍及び外国につながる児童生徒数は1万人を超えている。外国籍児童生徒としては中国籍の児童生徒が圧倒的に多い。日本語指導が必要な児童生徒も年々増加している。

横浜市は日本語指導が必要な児童生徒のために国際教室を設置し,児童生徒の人数に応じて担当教員を配置・加配している。配置校は毎年 20 校ずつくらい増えている。

学校全体の半数が外国籍及び外国につながる児童生徒という配置校すらある。そのような学校は加配教員だけでは足りないため,非常勤講師を配置している。
特に外国籍児童生徒が多いところには外国語補助指導員を配置している。外国語補助指導員の具体的な業務内容としては、保護者からの電話対応、学校が配付する文章の翻訳、児童生徒の授業の支援、児童生徒の指導等。

日本語支援拠点施設「ひまわり」及び「鶴見ひまわり」を設けている。施設の役割はプレクラス、学校ガイダンス及び就学前教室「さくら教室」の実施。
プレクラスとは、外国から新たに転・編入学した児童生徒のために1か月間、集中的に日本語指導及び学校生活の体験を行うもの。教員免許を持つ者が指導している
ので在籍校との関係においても出席扱いになる。

学校ガイダンスにおいては、新たに学校に転・編入学をした児童生徒やその保護者を対象に母語でガイダンスを行っている。出身国における学習歴も簡単にチェックをして在籍校に情報提供している。保護者に対しては、入学手続の書類の記入支援も行っている。

「さくら教室」は日本語支援が必要な新小学1年生と保護者を対象に学校生活の紹介を行うもの。通訳が準備できる言語については全て通訳を手配している。

横浜市日本語教室

日本語の初期指導が必要な児童生徒に対して、日本語指導資格を有する講師が指導を行っている。

前述の国際教室との違いは、国際教室は学校の教員が学校の中で指導するものであるのに対し、横浜市日本語教室は日本語指導資格を有する講師が初期の日本語指導を行っており、教科指導は行わないこと。
開催方法としては、小学校では日本語講師が学校に派遣され、週1回別室で指導を行っている。中学校では生徒が市内に5か所ある指導教室に通う形になる。

母語支援ボランティア活用事業について

日本語指導が必要な児童生徒に対し、母語のできるボランティアが授業中に付き添って支援するなどの初期適応・学習支援を行っている。
初期適応・学習支援を受けた後の児童生徒に対しては、さらに、放課後や長期休業期間中に母語のできるボランティアによる補習等の支援を行っている。
保護者についても、個人面談や家庭訪問に際して母語支援ボランティアによる支援を行っている。

学校通訳ボランティアによる保護者対応について

市立小・中・義務教育学校における転入学の説明、個人面談、入学説明会、家庭訪問等での通訳ボランティアを公益財団法人横浜市国際交流協会(YOKE)に業務委託している。YOKEに委託するボランティアは、学校がボランティアを見つける必要はない一方で、事前申請が必要であり、定時までしか利用できないという側面がある。

各種ガイドブック発行

「ようこそ横浜の学校へ」という学校向け及び保護者向けのガイドブックのほか、「ひまわり」独自の日本語教材、帰国子女の保護者向けの「横浜市帰国児童生徒教育ガイド」を横浜市教育委員会HPに掲載。

浜松市教育委員会

令和3年3月26日

浜松市の取組について

4年前にできた教育総合支援センターには3つのグループがある。1つ目は外国人支援グループ、2つ目は発達支援グループ、3つ目は不登校・学校生活などに係る保護者や学校からの相談を受けるグループ。

令和2年に浜松市に在住している外国籍の子供は、1,850 人。南米(ブラジル、ペルー)が6割を占めている。最近、バングラデシュ、パキスタン、スリランカ、タイ等多国籍化が進み、子供達の使用する言語は21言語に及ぶ。
日本語指導の必要な児童は、 1,408人。外国人子供教育推進事業として、就学相談と適応支援、母語支援、日本語能力に応じた支援、ライフコースに応じた支援がある。

外国につながる児童生徒が区役所で住民登録の手続をすると、区役所から教育総合支援センターを案内され、そこで就学ガイダンスを受ける。

不就学ゼロ作戦に向けた取組では、ウエルカムパックと呼ばれる生活に必要な情報をまとめたものの配布を通して転入時の就学案内を行うほか、住民基本台帳と学齢簿の両システムを連動させたデータから学校に通っていない可能性のある子供を抽出して定期的に家庭訪問を行い、面談やカウンセリング、就学準備サポートなどにより就学支援をしている。就学ガイダンスでは、日本語能力、前学校の状況、発達障害等診断の有無、宗教等あらゆることを聞き取る。日本の学校のシステムや、夢や希望を持つことの大切さ等を説明している。

親子の日本語学習について

子供は日本の学校に入って勉強していくと日本語が上達していくが、親はなかなかそうならない。親が地域の中で地域住民と関わりながら日本語を学べるシステムがあると良い。
日系2世の子供が日本人の子供と同じように生活できるかというとそうではなく、日本で生まれた子供は、日本語も母語もどっちつかずとなっている者が非常に多くなっているのではないか。日本の教育をし始めた時に親が母語を意識して教えないと母語はそれ以上育たない。子供は日本語だけがどんどん伸びていくのに対し、親は母語のみで日本語が上達せず、親子の会話ができなくなり、子供が親に相談できない状況になってしまう。

学校は教科学習をする場所であり、子供達は日本語だけ覚えれば次につながる訳ではなく、教科内容も身につけなければならない。年齢が上がるにつれ、年相応の日本語を身につけることも必要になる。親子で地域社会の中で日本語を学ぶシステムがあると、子供は学校で教科を、地域で生活に根ざした日本語を両輪で学ぶことにより日本社会で活躍する人材として育っていくのではないか。

プレスクールについて

プレスクールは、日本の就学前教育を受けていない子供と、子供は就学前の教育を受けているものの親が初めて日本の学校に子供を入れる親子を対象に行っている。昨年度は34名受講し、保護者は日本語で自分の子供の名前を書いたり、時刻や時間の伝え方等の日本語を親子で学んだりした。子供に対しては入学前の子供達が使っている日本語や日本の交通ルール等を教える。

特定非営利活動法人青少年自立援助センター

令和3年3月30日

活動概要

特定非営利活動法人青少年自立援助センターでは、当初は引きこもりやニート等の困難を抱える子供たちの支援を主に行っていたが、横田基地に近いという土地柄もあり、外国にルーツを持つ子供たちの支援も行うようになった。
文部科学省から「定住外国人の子供の就学支援事業(虹の架け橋事業)」を受託し、虹の架け橋教室を開催するようになった。

YSCグローバル・スクールは福生市に拠点を置き、外国にルーツを持つ子供を例年 120 名前後受け入れ、日本語教育等を実施している。授業を求める子供がいる限りいつでも応じられる体制を目指して、平日は朝 9 時台から夜7時台まで何らかのクラスを設けている。1 日で最大 70名程度が出席する。
2016 年からはオンライン授業も開始。
在籍している生徒の構成はフィリピン、中国、ペルー、ネパール、インドネシアやイランなどの他、アフリカにルーツを持つ子供、フィリピンにルーツを持つ日本国籍保有者など様々。オンライン授業を始めてからは、地方はもちろん、海外から授業を受ける人もいる。

スクールで稼働する職員は大きく分けて日本語教師、学習支援担当者及び多文化コーディネーターの3種類。多文化コーディネーターは地方自治体や関係諸機関との連携、学校との連絡調整等を担っている。

外国にルーツを持つ子供に対する教育・支援について

YSCに在籍する生徒の大半は親の都合により来日している。生徒を受け入れた学校や自治体から相談を受けてYSCが生徒を受け入れるケースが多い。
日本語がほとんどできない子供に対しては、在籍する学校と相談の上で、2カ月半程度、YSCのみに通ってもらい、集中的に日本語指導等を行う。その間は在籍校も出席扱いになる。

YSCでの教育課程を修了した後も、学校とYSCを併用して通う生徒が多い。一度離れたものの、高校受験前に再びYSCに来る生徒もいる。

出入国在留管理庁 多文化共生
出入国在留管理庁 多文化共生

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