地域における外国人雇用について情報を整理してまいります。今回は 新潟県 での「 技術・人文知識・国際業務 」のビザ取得環境についてまとめました。
新潟県でも、外国人の派遣や人材紹介をする企業は多く、ビジネス活動の活発さを感じました。新潟市以外の上越や下越、越後の地域によっては、土木関係や農業など、豪雪地帯ならではの季節的な派遣などもあるようで、広大な面積を持つ新潟ならではの多様性もうかがえます。
外国人の就労やビザの取得について、新潟の状況を数字を交えて解説しながら、新潟における外国人材の報告をしてまいります。
新潟県 在留資格別 の 外国人労働者
新潟県における平成4年₍2022年₎10月時点での在留資格別では、「技能実習」が3,647 人で、外国人労働者全体の34.1%を占めています。
参考:新潟県における外国人雇用状況の届出状況、令和4年10 月末現在
人材紹介会社からも、技能実習生に特化しているとの声も聞き、技能実習生の労働者数が多いという声を聞いています。1990年から既に30年以上も続いてきた制度で、地元や雇用先にも浸透していますし、2019年から新しく始まった特定技能と比べても制度の明快さが理由であろうと思われます。ただし、技能実習制度は、特定技能制度の新設に合わせて「育成制度」も新たに発表され、今後は昨今の人不足や円安の状況もあって違った進展が予想されます。
次いで、永住者や永住者を配偶者に持つ人など「身分に基づく在留資格」が2,958 人(同27.6%)、「専門的・技術的分野の在留資格」が2,252 人(同21.0%)の順に多くなっています。
新潟県で外国人を雇用するにしても、永住者やその家族や配偶者に限定して外人を紹介する人材紹介会社が多いと感じます。そもそも外国人の雇用に積極的ではない雇用者が多い中で、さらに生活の支援、言葉の問題、ビザの心配までするのはお断りである事情がうかがえます。身分に基づく在留資格では、職種や労働時間の制限がないのも歓迎されています。
専門的・技術的分野の在留資格には、技術・人文知識・国際関係の事務系就労ビザも含まれますが、多くは介護や医療の分野が中心であり、一般的な事務職は非常に少ないと感じます。ただし、CADオペレーターなど特定の技術ツールの技術者は活用されているようですが、実はビザの申請のやり方ひとつで若くて優秀な外国人材を活用できる可能性があります。
資格外活動1,455 人(同13.6%)の大部分は留学生のアルバイトとなります。
外国人労働者数は10,705 人で、前年同期比443 人、4.3%の増加。外国人労働者を雇用する事業所数は、2,237 か所で、前年同期比98 か所、4.6%の増加で、外国人を活用する事業所も労働者数も堅調に伸びているのが伺えます。コロナによる入管の制限がやっと去年から全面的に解除され、外国人労働者の流入も回復していますし、新潟ではまだまだ裾野を広げられる余地があると数字にも示されています。
国籍別では、ベトナムが最も多く3,286 人(外国人労働者全体の30.7%)。次いで中国2,029 人(同 19.0%)、フィリピン 1,878 人(同 17.5%)の順。対前年増加率は、インドネシア(66.0%)、ネパール(58.7%)が高い。ネパールは留学生ビザの比率が高く、留学先として新潟の魅力が高いようで、今後も卒業後に就労ビザへの転換も期待されます。
新潟県 技能実習生 の比率は全国の倍
2022年現在では、新潟県の技能実習生は3,647人が従事し、新潟県内での比率は34.1%と最も多い在留資格になりますが、全国では18.8%と半分です。一方で新潟県が全国よりも少ない資格は、技術・人文知識・国際関係のような就労ビザや、留学になります。
その技能実習生を支援・管理しているのが、「監理団体」と呼ばれる団体です。
外国人技能実習制度により技能実習生を受け入れる場合、多くの中小企業は監理団体を通して受け入れを行います。監理団体とは、技能実習生が安心して働けるよう、入国時の講座や受け入れ企業に訪問指導等を行うことで、技能実習生と受け入れ企業のサポートを行う非営利団体のことをいいます。
監理団体として許可される法人形態は、商工会議所、商工会、中小企業団体、職業訓練法人、公益社団法人、公益財団法人、農業協同組合、漁業協同組合であることが必要とされています。これ以外の団体が監理団体となるためには、特別な理由や重要事項の決定や業務監査を行う適切な機関を置いていることが求められます。
特定監理事業を行う団体には2種類あり、特定監理事業は、以下の2つの実習のみを行わせる団体監理型実習実施者のもとで実習監理を行う事業のことです。もう一つの一般監理事業は、特定監理事業以外の監理事業のことです。「技能を修得させる能力」が高い実習指導者がいる優良団体として、4年目・5年目の第3号団体管理型技能実習を行うことができます。
日本の監理団体は、2024年3月の時点で合わせて3700余りにも増加しました。平成30年では2380団体でしたので、令和の6年間で1.5倍にもなっています。新潟県にも全国の約1%、33の団体が活動しています。
新潟県 の留学生の比率は低い
地方では技能実習率が高くなる傾向がありますが、新潟には新潟大学をはじめ国立3大学、公立(県立)も4大学あります。ただし、日本最大の稲作地帯で、広大な面積を占めるため都市化の遅れている地域も含み、全国では留学生が占める割合が14.2%に対して、新潟県は11.7%とやや少なめです。
具体的に新潟の大学事情を見ていきましょう!私立は17大学あるものの、留学生に関係ありそうな国公立大学のみにします。
【国立】
・新潟大学
・長岡技術科学大学
・上越教育大学
【公立】
・新潟県立大学
・三条市立大学
・長岡造形大学
・新潟県立看護大学
地方では、農業や工業の労働比率が高く、企業の事務職の比率が低いのが現状です。新潟は新潟市、長岡市、柏崎市のようなある程度の規模の都市を抱え、大学も備えており、一定数のホワイトカラーと言われる労働者の層があります。
留学生の活用では、大学と提携して学生の週28時間のバイト時間管理もしつつ大勢の学生を活用したり、安定した若手の労働力として定着しているようです。単純労働の担い手として留学生のまとまった若い力は外せません。
ただし、その厚みや流動性は高くないため、東京などの大都会に比べて、外国人を雇うにも人材紹介会社が少なく、留学生受入の大学も少ないです。
代表的な新潟の国立大学、新潟大学を具体的に見てみましょう。
大学生の総数は合計で9,992名で、新潟大学の外国人留学生数は522人、アジアを中心に54の国・地域から集まっています。(2023年5月1日現在)
過去5年間の推移をみても、コロナでも大きくは人数は変わらず、約500名程度、率にして5%になります。一部の外国人留学生に特化した大学を除くと、留学生比率5%は一般的な水準ですし、留学者数はほぼ大学の規模によって変わります。
参考:外国人留学生数、新潟大学
参考までに、日本学生支援機構が発表した「外国人留学生在籍状況調査」のデータをもとに、外国人留学生の在籍数が多い大学と留学生数を紹介します。2021年5月1日時点での上位5ランキングは、以下のとおりです。
1位:東京大学(4,084人)
2位:早稲田大学(3,967人)
3位:日本経済大学(2,984人)
4位:立命館大学(2,752人)
5位:京都大学(2,493人)
参考:2022(令和4)年度外国人留学生在籍状況調査結果、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)
外国人留学生の在籍数が最も多い日本の大学は、東京大学です。外国人留学生の在籍数が多い大学は、世界的に知名度が高く、国際交流やグローバル教育に力を入れているのが特徴で、留学生比率も一般的な5%を超えてきます。
新潟県 での ビザ取得は行政書士 にお任せください
ビザの申請は企業や外国人本人による申請だけでなく、行政書士による取次申請が可能です。
新潟県では、技能実習生や留学生は監理団体や学校が手配する一方で、人材紹介会社が積極的にサポートすることは少ないようです。技人国と言われる就労ビザを使っての就労もあまり多くない印象です。
永住権などの身分ビザを保有していて、就労に制限の少ない外国人が重宝されているようですが、若者を中心に人手不足が続くのは確実です。新潟はまだ外国人が殺到することはなかったようですが、佐渡島が世界遺産に登録され、弥彦神社や寺泊の魚市場もその周辺として注目を浴びてくれば、インバウンドのビジネスでも労働力が求められる可能性を秘めています。
VISA de AIを活用すれば行政書士の自動見積もりをとることできます。人材紹介会社や雇用主が教えたり、書類の不備で採用できなかったりといったトラブルを回避できます。外国人雇用をためらっている方々に、その活用を検討していただける機会となれるよう期待しております。もちろん、人材紹介会社へのサポートも行っております。
行政書士は、申請プロセスをスムーズに進めるためにサポートしてまいります。専門的な知識と経験を持つ行政書士は、書類準備のサポートから問題解決、パーソナライズされたアドバイス提供まで、申請者を全面的にサポートします。
Oka, Takashi – Immigration Lawyer